恋人ごっこ





…驚きすぎて呆然となる私をよそに





目の前の優斗は、

いつもと変わらない様子で私に声をかけた…









「 昨日、鍵忘れてっただろ、」





そう言って私に、屋上の鍵を手渡してくれた。








「 あ、ありがと…、」









…なにか言いたいのに、



この想いを優斗に伝えたいのに…、




そんな言葉しか

私の口からは出てこなかった…。



















「 ……神菜



あのさ、






今更かもしんないけど、

あの時 ちゃんと言えなかったから今言わせて…、」





唐突に損なことを言い出した優斗は、私をまっすぐに見つめた…