恋人ごっこ









…それからの私は、



仕事も手につかないほどに


ただただ激しい後悔に苛まれていた……










…そんな私を突然




「 …ちょっとツラ貸せや、」




いいなり現れた関西弁全開のユリがそう言って、
有無を言わさず私を引っ張った…。










…そうして

人気の無い空き教室に入ると、

ユリは、不機嫌そうに私を睨むのだ…





「 …どうしたの?」


内心かなりビビっている私に対し、


ユリは静かに口を開いた…









「 …なんであん時、


優斗先輩と付き合っとるって言わんかったん…?」







「 ………へ?」











いったい何の話だろうと困惑する私に、

ユリは構うことなく言葉を続けた…











「 先に言うてくれたらアタシかて、

あんな浮気現場みたいなもん見せんかったんやで!?



そんな大事なことは先に言えやっ!!」






「 す、すみませんっ」







( …なんで私 怒られてるの…??)


…そう思うものの、

意気地なしな私には、そんなこと言えるわけも無く



ただ頭を下げるのだった……