恋人ごっこ




「 優斗を好きになってからは、現実逃避も少なくなったし…






それに…



今回のことにしたって、結果はどうあれ、



困難から逃げないで、優斗に向かって行っただろ?





 よく頑張ったな…、」







優しく笑って私を見つめる春兄ちゃん








その温かい言葉に私は、









涙をボロボロと零して、


まるで
子どものように

声を上げて泣き出してしまった……















"駄目な私"


"馬鹿な私"


"すごく嫌な私"




…そんな、

格好悪いとこばっかりの私






そんな私でも




見捨てないで、

ずっと
見守ってくれた春兄ちゃん








嬉しかった


嬉しかった












自分のこと

わかっててくれる存在が居る






それは、

きっと



とても幸せなことだ……