恋人ごっこ








「 ……お前、ほんとに馬鹿だな。


やっぱり全然判ってないよ、」


「 ……。」



ため息混じりにそう言いながら、春兄ちゃんは私の髪をもう一度くしゃっと撫でた














「 ………はっきり言っちゃうけどさ、






昔の神菜は、

すごい嫌な奴だったよ…





友達を鬱陶しがったりするくせに、

嫌われたくないから、"恋人ごっこ"なんてして、周りを騙して…、



…お前は、

自分が傷付きたくないから、いつも困難から逃げてただろ、




なんかあるとすぐに、

どうでもいいこと考えて現実逃避ばっかりしてた…、」



「 ………。」











春兄ちゃんの言葉が、

耳に痛い……






全部、春兄ちゃんの言う通り…






私 凄く嫌な奴だ…







いつだって

嫌なことがあるとすぐに逃げていた…





現実逃避ばかりして、
それから目を背けて逃げてしまうのは、


私の悪い癖……