恋人ごっこ







…私の言葉に


春兄ちゃんの綺麗な顔が

これでもかと言うくらい引きつった…。








「 …ばっ、ばかっ!!

神菜、馬鹿言うなっ!!




……このっ、

ばかんなっっ!!」









ばかんな ってなんだ…











…思い付きで言ってみただけなのに、

思いのほか 春兄ちゃんが動揺しまくった…





私が、こんなことを言ってみたのは、

別に春兄ちゃんを好きになったわけじゃなくて





…ただ、


春兄ちゃんを好きになってみれば、

それはそれである意味 楽しいかなぁ~
と、なんとなく思ったからだった……











すぐにそう言ってあげても良かったのだけれど、


こんなに動揺する春兄ちゃんは、珍しいのでしばらく様子をみてみることにした…










「 春兄ちゃんは、

今 彼女とかいる…? 」







「 ちょっ、なに聞いてんのっ!?



頼むから、変な気起こすなよっ!!!! 」




ちょっと甘えた声を出してみると、春兄ちゃんが顔面蒼白になる……