恋人ごっこ












…私の話を訊き終えた春兄ちゃんは、


慰めの言葉や優しい言葉を掛けてくれるわけでもなく、





何故だか、



「 よし!早退するぞ!!」


と、嬉々としてそんなことを言い出した…。







そう言ってすぐに、春兄ちゃんは私を連れて職員室へと向かった…






「 3年の星野さんが具合悪いそうなんで、自宅に送ってきます。」


と、真面目な声と顔を作りながらそんなことを言い、



うちの担任の許可をもらうとすぐに学校を出たのだった…。















春兄ちゃんの車に乗ると、


家とはまったく正反対の方に向かって車は走り出した。










「 …ねぇ、春兄ちゃん



どこ 行くの…?」






今は、遊びたい気分でもない


できれば
家に帰して欲しいし、


1人にして欲しい……









そんな私の思いもお構いなしに、

春兄ちゃんは、





「 内緒~♪ 」


と、いつも通りのふざけた口調で返事をした…