全てがスローモーションになったようだった…
優斗の行動は突然だったけれど、とてもゆっくりと顔を近づけていて、ゆっくりと私の唇に自分の唇を重ねていた…
突然のことすぎて、私は動けなくて、
持っていた食べかけのサンドイッチを落とさないようにと、手に力を込めるだけで精一杯だった…
時間にすれば、わずか数秒の出来事だったけれど、
私にとっては、とても長い時間のようにも思えた…
「 ……んっ、」
優斗との2度目のキスは、ミルキーの味がした…
甘い
甘い
溶けるような…
そんなキスだった…。
こんな
ムードもなにもないような時に、
キスされるなんて
思わなかった……
けど、優斗はいつだって突然で、予想外だから、
それが不満だとは思っていない自分がいた…
唇が離れた時
恥ずかしくて
自然と俯いていた私…
「 …ごめん、」
頭の上から、
そんな言葉が降ってきた…
たぶん、
突然こんなことしてごめん って意味だとは思う…
でも、その言葉は
私の胸の奥を苦しめた。
なんで…?
私は優斗の彼女になったんじゃないの…?
突然だったけど、嬉しかったのに…
優斗のその一言で、私はキスの余韻に浸ることも出来なかった。
私は、自分が優斗の彼女だという自信がない……
…だから、
あんまり不安になるようなこと、
言わないで欲しかった…