恋人ごっこ





…ところが、

タモリ君は、そのまま何事もなく猫を連れて帰って行ってしまったのだ…










脱力する私に優斗は、



「 朝飯にするか。」






のほほんとそう言いながら、お茶を淹れて、タモリ君からの菓子折りの包みを開けた…






包みの中身は、この辺りでは有名な老舗和菓子屋さんの"芋きんつば"





普段あんなにチャラチャラしてるくせに


"芋きんつば"って……







( どうして私の周りの男の子は、こうも不思議というか変なんだろう…… )









……そんなこと考えていると、


優斗がテーブルにお茶と芋きんつばを並べた。








「 …もしかして、それが朝ご飯??」




「 そのつもりだけど、芋きんつば嫌い?」






「 …そうじゃなくて、




優斗って、いつもこんな風にご飯済ませてるの?」




「 ……まぁ そうだな」







自炊もたまにするけど、だいたいはそこにある物を食べる。


と、不摂生極まりない事を言い出す優斗…。









( …それって、すごく体に悪い…。)





そう思った私は、

ある決心をして立ち上がった…








「 私がご飯作る!!」