動揺のあまりに、腕の力が抜けた。



その隙に猫は、するりと抜け出してタモリ君の足下に嬉しそうにすり寄って行く…








「 おー、葛喜。

ちょっと待ってろ、荷物取って来る。」


優斗も普通にそう言って猫のおもちゃやらを取りに、部屋に引っ込んで行った……












「 ………。」







「 ………先輩、


なんで居るんすか?」



タモリ君が訝し気に私を見る。





「 …………まぁ、

いろいろあって…」





「 …もしかして、泊まってました?」



「 …………。」



…彼の言葉に、黙って首を縦に振った。






「 ってことは、ヨリ戻したんすか!?」



「 ……………。」




今度は横に振った…








「 は? 付き合ってもないのに、ヤったんすか!?」



「 ………っ!?

ややっ、ヤってなんかないよ!?」





タモリ君がとんでもないことを言い出すものだから、私も慌てて声を上げる。