私は、小さくため息を吐いた…
優斗が亡くなったお母さんのことを引きずってるのかは判らないけど、
少なくとも、
そういう関心はないのだと思う……。
……そういえば、
優斗と恋人ごっこを初めてすぐの頃…
由夏が、
「 南君って、格好いいし、優しいし、その上 頭も良いしスポーツも出来るから、1年の時は学年で一番モテてたんだよ!!でもね、誰に告白されても付き合わないし、遊んだりもしないから、アタックしてた子も片思いの子も、皆諦めてたんだよねー。神菜ってば、なんでそんな人をあっさりゲットできたわけ!?しかも両思いとか、超意外なんですけどっ!!」
……以下の台詞は省略するとして、
そんなことを言われたことがあった…。
その頃の私は、
優斗に興味も関心もなくて、
由夏の話に「 ふーん 」と適当に応えただけだった…
あの頃の自分が恨めしい…
もっとちゃんと聞いてれば良かったと後悔がした。
そうすれば、
優斗のこと
ちゃんと判っていられたかもしれないのに……

