恋人ごっこ








優斗が声を上げて笑い出すもんだから、

またまた猫が驚いて


その膝の上から逃げて、今度は行き場を探して部屋中をうろうろしていた。









…この話は、一度 春兄ちゃんに優斗以上に思いっきり笑われたから、今更優斗に笑われても傷付きはしないけど、







あんまりにも優斗が笑い過ぎるから、

これには私も、

少しだけイラっときて、笑いを止めない優斗に、




「 ……じゃあ、

優斗はなんで"優斗"って名前なの…? 」




と、ふて腐れながら聞いてみた…











「 ―……いやっ、


俺の名前は、神菜みたいな理由はないと思うけど…、」





私の態度に、


これ以上笑うとマズいと感じたのか、

優斗は、必死に笑いを堪えながら答えた…









「 …………名前付けたのって、お母さん?」





「 ……多分な、」




優斗が曖昧に笑う







…そして、


まるで

お母さんの話題には触れて欲しくないように、





「 …俺、風呂入って来るわ 」






勢い良く立ち上がって、そう言った…。