恋人ごっこ






……本当に今日は家には帰りたくなかったわけだし…


優斗にその気はないから安全だって判りきってるし……






そんな風に理由をあれこれ付けながら、


のこのこと優斗の部屋にまでついていってしまった私は、自分でも呆れるくらい優斗が好きだった…。













「 ………なんか、ごめんね…? 」




「 いや、神菜が良いなら俺は別に…


明日も休みだし、」





そう言って部屋の前まで来ると、優斗は慣れたように部屋の鍵を開ける







「 あっ、今ちょっと 同居人が居んだけど…、」




ドアを開ける時

優斗が思い出したように言う








「 …うん?」





同居人…?








誰だろうと疑問に思った瞬間に、

それは姿を現して、私の心を掴んだ








「 にゃぁー 」




「 猫っ!?


超可愛いぃっっ!! 」






玄関先まで、トコトコとやって来たのは、


愛らしい猫だった…。