恋人ごっこ





電車に乗って、しばらく揺られていると


優斗がぽつりと呟いた






「 ……なんも聞かないんだ?」



不自然な自分の家のことを…





普通なら聞いたって不思議じゃない。


聞かない私に優斗は不思議そうに言った…。






「 聞かれたいの? 」


冗談っぽく返すと、予想外の質問に優斗は言葉を詰まらせた






「 ………。聞かれたくないかもな……、」


困った表情




「 でしょ? だったら聞かないよ、」




「 ……そっか、

ありがとな、」










私の家も、

多少 複雑なところがあるから、

聞かれたくない優斗の気持は理解できる。







でも、


優斗の家は…


私の家と違って



"愛がある"


…そう思う。