恋人ごっこ







たぶん


離婚かなにかの事情があるんだろうと、なんとなく理解できた…






そうじゃなかったら、


実家から通える距離にある学校に

わさわざ優斗が一人暮らしをして通う理由がわからないし…。








そんな余計なことをついつい考えてしまう私



( よその家の事情を詮索するなんて駄目じゃん。)

と、思い直して

そこで
思索を中断する……。








そして促されるままに、

お家にお邪魔したのだった…。













「 優斗にケーキが好きだと聞いたから買ってきたんだ。」



そう言って、大きなホールケーキを冷蔵庫から出してくる片平さん



「 あ、ありがとうございます!」




嬉しく返事したものの、



( ホールケーキは普通ないだろう…。)

と思った。



3人では食べ切れないだろうに……




優斗のお父さんだけあって、微妙にずれた人なのかな…?

優斗と同じで、少し天然なのかもしれない…





「 神菜、コーヒーか紅茶、どっちがいい?」





「 あ、紅茶で… 」




了解と言いながら、
慣れた様子でお茶の用意をし出し優斗




3つの白いカップには、



コーヒーと

紅茶



それぞれ
注がれていく……