恋人ごっこ










「 ……父さんが、



神菜に会いたいって…」





「 ……はい?」






思わず

すっ頓狂な声が飛び出てしまった…





何事かと思えば、

お父さん って……。












「 ……神菜と恋人ごっこだった頃、

父さんに
"彼女できたか?"って聞かれて、


神菜とのプリクラ見せたんだ…。




それで、

今日になって会いたいって言い出して…


ちょっと顔を見せるだけだから頼む…、」



と、優斗は必死そうに説明する…







なんだろ


優斗って、

お父さんとなんかあるのかな…?



めちゃくちゃ怖い人で逆らえない とか?






「 …わかった。


彼女役 やるよ、」



私は首を縦に振った。






事情はなんとなく判ったし…


私も関係しているのだから仕方ない。






…それに

私自身が親とは仲良くないから、 こんな風にお父さんのことで必死になる優斗がなんだか羨ましくも感じて、


協力したい って思えた…。