「 じゃ、俺のアドレスをユミさんに渡して下さい。」
渋る私に対し、タモリ君は妥協案を提案した。
教室にあった適当なプリントに自分のアドレスをすらすらと書き、それを私に渡した。
プリントには、男子高校生とはおもえないかなりの達筆な字でアドレスが書かれていて、彼は本当に何者なのか疑問に思った…。
「 ………渡すのはいいけど…、
ユミが連絡してくるかどうかわかんないよ…? 」
「 絶対連絡してくると思うんで、大丈夫っす」
( うわっ
なんて生意気な… )
こうも自信満々すぎると
嫌味にも聞えてくる…
"自分 今までフラれたことないですけど、それがなにか?"
みたいな感じ……
( 渡さないで捨ててしまおうか…… )
一瞬そんなことが頭に過った…。
しかし、すぐに正気に戻った
( ……あぁ やだ。
自分が優斗と上手くいかないからって妬むな、 私…。)
「 先輩、なに いじけてるんすか? 」
「 ……別に 」
考えてたことが顔に出てたのか、
タモリ君が不思議そうな表情で私を見る…
…しかし、
次の瞬間には、その不思議そうな表情をにっこり笑った笑みに変えて、私に言った…
「 俺、先輩のことも、ちゃんと好きっすから安心して下さい。」
「 …………は?」
なに言い出すんだこの少年は……

