恋人ごっこ






「 ご、ごめん 、ありがと… 」




恥ずかしくて顔が自然と下向いてしまう…






…するとここで、また謀ったようにユミがユリを捕まえたまま声を上げる




「 神菜ぁ、ごめ~ん

先に教室言っててぇ~」



「 う、うん…、」





……これって、



優斗と一緒に教室行けってこと…!?









( どうしよう

優斗はどうなんだろ…? )



顔を上げて優斗の様子を見ると




「 じゃ、行くか、」




にっこり微笑んで優斗が私の手を引いた





「 またな、ユリ」




ユリにはそれだけ言って歩き出す優斗。


私もつられて歩く…。










なんでか、

手繋いでるし…。




"恋人ごっこ"中でもないのに……



あまりにも自然に、手を繋がれたから


なにも言えないまま隣りを歩く……。






恥ずかしい


照れる……






心臓が爆発するんじゃないかってくらい


ドキドキした……。