屋上までの階段を掛け上がり、
出入り禁止の扉に鍵を差し込んだ。
誰も居ない学校の屋上にまでやって来きたのに
「 神菜っ! 」
そんな声が私を追いかけて来る。
振り向けば、
優斗がそこに居て…
「 やだ、 なんで追いかけて来るの!? 」
「 神菜が逃げるから。
なんで逃げるの?」
「 ――――っ、
だって優斗が――っ!!」
( ――優斗がわけわかんないから… )
そんなこと言えるわけもなく、
言いかけて口を閉じる…
「 俺が…? 」
「 ………。」
「 …俺が、
…悪かったんだよな?
……ごめんな、神菜 」
優斗が謝ることなんて、なにもない…。
「 ……謝るのは、私の方だよ。
優斗、ごめん 」
私がそう言うと、
優斗は優しく私の下がった頭を撫でた…。
素っ気ないと思えば、
急に優しくしたり……
やっぱり
優斗は
わけわかんない…。
でも、
それでも
優斗を好きな気持は
変わることはなかった……