恋人ごっこ






…そんな努力の甲斐もあってか、


周りからの評判は上々だった。



学校へ行けば、

私の髪を見て皆は口を揃えて"似合ってる"と言ってくれたのだ…。





上機嫌になった私は

早く優斗に見せたくて、早足で教室に向かった…




席に着くと、

隣りの席の優斗は携帯を弄っていて、その横顔に




「 おはよう!」


と、ちょっとドキドキしながら、声を掛ける。





私の声に気がついて、液晶から視線を上げてこっちを向く優斗




……そして、


いつも通り微笑んで"おはよう"って、返してくれて、


"その色いいね"って、

"可愛い”って言いながら髪を撫でてくれる…






…そうなる予定(妄想)だったのだけど……、










「 ……えっ、

染めたんだ…… 」



優斗は本当に微妙そうな顔をしてそう言ったのだった…。







「 ………ぅ、うん、

似合うかなぁって…。





も、もしかして

似合ってない……? 」





「 ………。

いや、似合ってるよ。」











( "………。"って、

その間は
いったい何!?)








なんだか泣きそうになった……