当然の事ながら、その彼女とは別れた。
そして、その後も、何人かの女性と付き合ってはみたものの、結局、最後には秋に寝返り、交際は終了してしまうのだった。
「涼平?気分でも悪いのか?
さっきから、押し黙ちゃって……」
回想している俺を心配したのか、不安げな顔をして、秋は俺の顔を覗き込む。
どうして、秋は俺の彼女達と一緒に、俺を裏切ってるにも拘わらず、離れようとしないのか。
どうして、そんな秋を、俺は責めやしないのか。
正直、解らなかった。
あ、そういや、もう一つ解らない事があった。
俺の歴代の彼女達は不思議な事に、俺と別れた後、全員が失踪しているという事らしい。
一度、警察が俺や秋に事情聴収にやって来たが、別れた後だからと、それ以外に言う事がない為、いつしか警察も諦めたみたいだった。