「おばけなら高笑いなんかあげてないで墓場でも徘徊しなさいよねー」


 問題の部屋の前でそうひとりごちる。

 内開きの扉は案外重く、片手では僅かにしか開かない。


 しょうがなくランプを持っているのとは反対側の肩と腕も押し付けるようにして、ああ埃がついたかな後でこの服洗わなくちゃなんて思ってた。