「あいにく昼夜問わず人がやってくるこの教会を離れるわけにはいかなくてね。誰かかわりに怪奇現象の正体を見破って欲しいと思っていたんだ」
にこにこにこ。
浮かべる笑みは相変わらずの美しさだと言うのに、なんというか得体の知れない威圧感が感じられるのは付き合いの長さゆえだろうか。
にこにこにこにこ。
「……わたしに、行けと?」
「いやぁ別に無理強いをするつもりはないんですよ。ただここにいるのはとてつもなく多忙な神父である私とヒマだヒマだ退屈だとさっきまで喚いていた貴女の二人だということです」
「…………」
こうして、わたしは夜も更けた今、ウワサの教会へとやって来たのだった。