「夜な夜な繰り返される怪奇現象?」

 はあ、とわたしは気の無い返事とともにそう言った。

「どうやらあの教会にそんなウワサがあるようでね、住民が怖がっているんだ」

 困ったような笑みを神父様は浮かべる。

きらきらと輝く金糸の髪がステンドグラス越しの光を浴びて彼の美しさを際立てていた。


「まぁ、ただのウワサだとは思うんだけどね。一応人々の悩みを聞く身だから、無下にするわけにもいかないだろう?」

「……まさか、わたしに妖怪退治でもしろと?」

「ははっ、まさかそんなことさせるわけないだろう」


 にこやかに神父様は微笑む。何をやっても絵になる姿とは正に彼のことをいうのだろう。