「お前は、だれだ?」 「!」 まっすぐに見つめられたまま彼の手がわたしの頬にそえられる。 身動きの取れない圧迫感を感じた。冷たい手は、わたしの恐怖心を煽る。 「お前は、だれだ?」 彼は再度同じ質問をくりかえす。促すようなその態度に、わたしは恐る恐る口を開いた。目線は、まだ離せない。