「……!」 中には、一人の青年が眠っていた。 血の気の無い白い肌は纏う黒衣の衣装と対比され病的なほどだった。けれども通った目鼻立ちと長い銀色の髪が神秘的な彼の美しさを表現している。 「あ……」 思わず声が漏れた。長いまつげに縁取られた瞳がゆっくりと開かれ、わたしの視線とぶつかる。 まるで宝石のような血色をしていた。