「…………………」


誰も口をひらかず、三人の周りを重い空気が漂っていた。



その空気に耐え兼ねたのか、神谷が



「社長、ご用件のほうは?」


と言うと、それを待っていたかのようにお父様が話しだした。



「この前、神宮寺家から電話があった。」



「神宮寺って、神谷の……………」



「そうだ、潤君と要君のお父様からだ。」



「で、父はなんと?」



「わしの娘、麗華を要君の嫁にほしいと…………」



「え?!私の婚約者は神谷だと言っていたじゃありませんか」