スミレも僕も、行きたいと言っていたところ。
そういえば、前から先輩と桃にシツコク迫っていたっけ。
『そろそろお邪魔させてよ』
『行きたい行きたい行きたいっ!!』
『はぁ!?知るかっ!!お前らなんか一生上がらせねぇよ!!』
『こ、紅‥』
『ねぇ、桃はいいんでしょ?』
『え、えっと‥ちょぉっと、駄目かな‥』
『ちょっとって事は行ってもいいって事だよね!!』
『勝手な解釈すんなっ!!』
『まぁまぁ』
とか言ってさ、結局はいつもこっちが負けて。
スミレは頬をぷくぅ~と膨らませて。
抱えているスミレの頬に、数本の涙の通り跡があった。
僕のせいで、泣かせてしまったのだろう。
先輩は一番前をズカズカと歩いていた。
生徒会室の予備のブレザーを羽織って、手には自分の荷物を持って。
前を歩いている金ちゃんは、隣を歩く花ちゃんを時々気遣いながら歩いていた。
荷物、重くないか?と。
茶色を基調としたマンションの中に入っていく先輩。
自分のところのものであろうポストを開けて、広告やらなんやらを手にとった。
「あ?んだこりゃぁ‥」
広告をバサバサと適当に見ながら、エレベータのボタンを押す。
全部で7階あるうちの5階行き。
エレベータを降りて、真っ直ぐな廊下を歩いた。
鞄から鍵を出してガチャリと鍵を回し、扉が開かれる。
「ん、どーぞ」

