「‥ゴメンね、アオちゃん」

謝ったくらいじゃ済まされないと思う。
ボクが、世界で最も愛している貴方を忘れていた事は。

でも、それでもね。



アオちゃんに伝えておきたい事があるの。





「ボクが記憶を失くしたって聞いた時、周りが真っ暗になったでしょ?」



もし、アオちゃんにボクの事を忘れられたら、きっとボクがそうなるように‥。



「それで、ボクの口から『誰?』って訊かれた時なんか、本当に辛かったよね」



大好きな人の口から、そんな事聞きたくないよね。



「それにボク、鈍感だから。‥アオちゃんを傷付ける様な事言ったでしょ?」



好きな人がいるか訊いてみたり

勝手に好きな人がいるんだって思ったり。



ねぇ、アオちゃん。

たくさん傷付いたでしょう?



悲しかったでしょう?
寂しかったでしょう?
辛かったでしょう?



そして何より、



苦しかったでしょう?



でも、
それでも‥‥





「ずっと、傍にいてくれてありがとう」