訊けば、浦さんはかなり驚いた表情でこっちを見てきた。
そして静かに頷いた。

「‥いるよ」
「そう、なんだ」
「本当に愛おしくてしょうがない。溺愛ってやつかも」

苦笑しながら、浦さんはどこか遠くを見て言った。
そこまで聞くと、本当に鳩羽ちゃんの事が好きなんだ。って思い知らされた気がした。

「でも、どうしたの?急にそんな事訊いてきて」
「‥何でも、無い」

訊いた、自分が馬鹿だった。

後悔の雨がボクに降り注いでくる。
何で、彼女がいるって分かっている人を好きになってしまったんだろう。

何で、何で‥

「スミ、レ?」



涙が出てくるんだろう。



「本当に、その人の事が好きなんだね。浦さんは」
「‥‥」
「ゴメン、なんか泣いちゃって」

こんなタイミングで泣いたら
ボクが浦さんの事を好きだってバレバレじゃん。

「ボクに勉強教える暇なんかあったら、その子のところに行ってあげなよ」

机の上にある自分の教科書やノートを、鞄の中に詰め込んだ。
そして席を立とうとした時

「‥っ!?」



行き成り、ソファーに押し倒された。