りーりーりー! りーりーりー!


 独特の音が流れ始める。枕元に置かれた少女の携帯からだった。どうやら彼女は時間差で携帯からも音が鳴るようにしていたらしい。

 小さな部屋の中をこれでもかと言うぐらいに時計と携帯が二重奏を奏でる。これには少女も段々と覚醒を促されたようで、薄く目を開きぼぉっと天井を見上げた。



「……うるさい」



 ばんっ! と振り下ろされた手により、少女の目覚めに貢献した時計はようやく静かになった。