じいさんとアタシ


先生は黙って助手席のドアを開けてくれた。

「どうも・・・」アタシはそう言って乗り込む。





「家、どの辺?」

エンジンをかけながら聞く。

「あの辺。てか先生教えてよ!!約束!」


先生は「あぁ・・・」とつぶやいて、「っつかあの辺ってどの辺よ?」と笑いながら言った。



正直言うと、この頃あんまり家には帰りたくなかった。

誰もいない家。

真っ暗なリビング。


今じゃ慣れたことだけど、やっぱり中学生のアタシには寂しいことだった。



アタシが黙っていることで、そんな気持ちを読み取ったのか、この先生は「じゃぁ俺んち来る?」と言った。