ケンは親父が決めた私立中学に行かなかった。 俺よりも何倍も頭がよかったのに。 親父もそんな自分の息子に愛想がつきたのか「好きにしろ」と言って、 何も言わなかった。 中学のときのケンは小さい頃とは考えられないやんちゃ者で、 万引き、無免許バイクなんて当たり前だった。 「好きにしろ」と言ったはずの親父なのに、 ケンを家に閉じ込めるようになった。