「ケンくん」
俺が声をかけると目だけこっちを見た。
我慢していたのか、涙がポロポロこぼれている。
「俺のこと…嫌い?」
ケンはさっき言ってしまったことを、俺に叱られると思ったらしい。
だからこの質問に驚いていたようだったけど、
しばらく考えてから静かに呟いた。
「嫌いじゃない」
と。
「よかったぁ。俺もね、ケンくんのこと好きなんだ。
だからさ、友達になろうよ。
前一緒に遊んだときみたいに」
「友達?」
「そう。
嫌いじゃないなら友達だろ?
それに俺は知らない人じゃないから、一緒に遊んでもママは怒らないだろ?」
「ぅん…」
「よしっ!今日から友達だッ」
このとき俺が15歳、ケンが7歳。
不思議な関係の友情が成立した。



