アタシは臭いなんか気にせず深呼吸をして、 『ダンボール置き場』 と書かれたドアの前に行った。 他のドアと同じ作りのはずなのにこのドアだけは、いつも重く感じる。 「うりゃっ」と小さく掛け声をかけて開けた部屋の中には、 大量のダンボール。 ダンボールの山。 『じいさん』の姿はない。 ホッと胸を撫で下ろし、アタシは店から運んで来たダンボールを部屋に押し込んだ。