父親が毎日のように騒ぎ立てる。


“下らない夢なんて捨てなさい!!”


下らないと決めつけるのは何故だ?


アタシにとっては、娘の夢を卑下するアンタの方が下らないよ。


子供の頃からずっと、夢見てきたのは演奏する事。


チャラチャラしたいんじゃない。


チヤホヤされたいんじゃない。


純粋に『音楽』が好きだ。


トランペットと共に生きたい。


駄目だと言うならば、アタシは生きてる楽しみなんてない。


生きる価値なんてないんじゃないの?


―――悔しさと苛立ちと悲しさと、寂しさと、


沢山たくさん、心に敷き詰めて家を出たんだよ。


心残りがあるとしたならば、好きなバンドの“曲”を置き去りにしてきた事。


他には、無い、と思う。