残響*Impression

何日か後、バンド仲間の一人が訪ねて来た。


「流威はバイトで居ないんですが…あの、どうぞ上がっ…」


「ここでいい。もう来ないでくれない?」


「え…?」


直接話した事はないけど、貴方越しに何度か会った事がある、この人はドラムの人。


突然訪れて、鋭い目つきで上から見下ろされ、アタシは縮まる。


「メジャーデビューするのに、アンタは邪魔なんだ。バンドにも流威にも…だから、流威の幸せを願うなら、もう会わないで、消えてくれ」


あぁ、アタシは馬鹿だ。


メジャーデビューが心から嬉しかったけど、貴方の夢の邪魔になる事に気付かなかった。


アタシが側に居る事で、掴んだ夢を遮りたくない。


もの分かりの良い子を演じて、この人が帰った後に思いっ切り泣いた。


貴方の部屋に約一年、通い続けて、まるでアタシの部屋と同化していた部屋。