「あっ、上着…返して!!」 「あ、うん…。どうすればいいかな?」 「今から暇?」 「うん…。」 「じゃあ、返しに来て!!」 彼の押しに負けたアタシは、彼の家の場所を聞いて、急いで向かった。 いつも焦って化粧をすると、必ずどこかで失敗するのに…… 今日はしなかった。 彼の家の前まで来たけれど… 団地だし、まず… 部屋の番号知らないし。 アタシは彼にまた、メールを送った。 「おーいっ!!」 声のした方に振り向くと、窓から手を振っているゆうくんがいた。