俺はどうかしていたんだ。
この小さな女の子の存在に安心して…
似たような匂いのする、この女にも安心して…
話を聞いてもらおうとした。
あがったら、すぐに手を洗わせてもらおう。
すごく汚らわしく思えた。
「ただいまぁ〜!!」
「えっ、誰かと住んでんの?」
「うん。姉ちゃん!!」
リビングに通されて、テーブルの上をみると、食事が用意されていた。
「姉ちゃんさぁ、いつもこうやってアタシたちの分まで夕飯作っておいてくれんだよね。」
「優しいな…」
「でしょー!?自慢の姉ちゃん!!」
あぁ、本当にどうかしてる。
彼女と同じマンションに住む、違う女の家にいるなんて。
どうかしてるよ、俺。

