トモヤは元々、あんまり酒を飲まない。
だから、いつも車を運転したり、潰れた人間を介抱しているイメージがある。
たった数回しか飲んでないのに、こう思うのだ。
トモヤは兄貴肌なのだろう。
いつからか…
アタシはゆうと、その女を見ることはなくなった。
視界に入れないようにしていたのだ。
女の甘ったれた声を聞いてはイラっとし、
笑い声を聞けば、耳を塞ぎたくなる。
ナオキが潰れ、マリが潰れ
気付けばもう午前5時を回っていた。
マリとナオキは隣の寝室に行ったのだろう。
トモヤの姿も見当たらない。
さっきまでドンチャン騒ぎをしていた部屋には、残酷なことに
アタシ、ゆう、あの女だけが残されていた。

