彼女の少しかすれた声も。 可愛い笑顔も。 たまに見せる寂しいそうな顔も。 全部が新鮮だった。 「ここ。ありがとう。」 「おうっ!!またな!!」 「うん。寒いから、早く戻って」 「うん、じゃあな。」 「バイバイ」 まただ…そうやって、悲しいような、寂しいような、そんな微妙な顔をする。 「連絡先交換しよう」 たったそれだけなのに、言えなかった。 いつから俺は、そんな奥手になってしまったんだろうな。