話し終えて悠斗を見ると真っ赤にして顔を背けている。
「……」
「どうしたの?」
「どうしたのって…」
「悠斗?」
「聖治が!そんな…恥ずかしい事をサラッと…」
かわいい…
悠斗が言った恥ずかしい事って、どこからどこまでの事を言ってるのか、よくわからなかったけど、それはたぶんつい数時間前までしていた行為の事も入っていると思う。
最近まで彼女がいたとは思えないほど、純情だ。
そんな純情な悠斗だから、余計に心配になる。
「好きだよ、悠斗…ねぇ、悠斗は?悠斗は俺の事…」
「なっ、なんだよ急に。言ったろ?……好き、だって」
「…ほんとに?まだ前の彼女の事……」
「はぁ?なんだよそれ」
言葉を濁した俺に返ってきたのは、いつもより少し低音の怒気を含んだ声。
見ると恥ずかしさから赤くなっていた顔が、今度は怒りで赤くなっている。
「…ごめん。俺、ただ…不安で」
「……」
謝りながら俯いてしまった俺の耳に届いたのは、はぁという小さな溜息。
「…聖治」
少し間を置いてから、先ほどの怒気を含んだ声とは打って変わって優しい声で呼ばれる。


