退廃した大地。

曇天の空。


この世界は崩壊へと向かっていた。
崩壊の理由は、世を憂いた神の消滅か。


大地には魔物が蠢き、それを指揮する悪魔までもが出没し始めた。

圧倒的な力の差に人は嘆き、平伏し、死んで行く。

命乞いする者の中には悪魔に惑わされ、魂を取られる者もいた。
悪魔の、甘美な囁き。

悪魔が人を助けるはずなどないのに。

崩壊を恐れた人々はエクソシストが集まる王都へと逃げ込んだ。

そこでも人々は死を待つだけだった。


生きることを願うそんな人々を少しでも長く生かす為に、今俺はここにいる。


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