「わっ…、綺麗…」 彼女は目を輝かせ自分の手首を眺め、嬉しそうに礼を言ってきた。 そして思い出したように鞄から袋を取り出し、俺に渡した。 俺へのクリスマスプレゼントらしい。 袋の中身は黒いチェックのマフラーだった。 (咲のことだから、きっと何時間も迷った末に決めたんだろうな) そんな彼女の姿が容易に想像できて、なんだか笑えた。