「!おいしいっ」 ピンク色をしたその木の実は甘酸っぱくて苺の味がした。 「オコジョありがとうっ」 お礼にオコジョのさらさらした毛を撫でる。オコジョは気持ちよさそうな顔をしたが、するりと月の手から抜けだし、「きゅーきゅー」鳴きはじめた。 「なに?どうしたの?」 オコジョは鳴くのを止めず、数歩進んでは立ち止まって振り返るという動作を繰り返している。 (ついて来いって言ってるのかな?) 月が立ち上がろうとした瞬間、 パーーーー!! 森全体に響く大きな音がした。 _