ヘッド バイブ

コホン、とわざとらしく
咳をすると
また優衣はシャーペンで
机の上の文字を
コツコツ叩いて話し始めた。

「ヘッドバイブはね
とりつくことが出来る
らしいの」

「人にとりつく?」

「うん、でも人間に化ける
こともできるらしいん
だよね」


それはそれは…有能な
お化けちゃんですこと


「げっ!」

時計をみるともう6時
をさしていた
優衣とベッドバイブに
ついて話していただけで
こんな時間になるなんて
思ってなかったよー

「優衣!帰ろ、あたし
よりたいお店あるんだ」

「あ、うん」


あたしたちはかばんを
掴んで廊下を走った


───────どんっ