非難の視線を浴びながら、沼田はタバコを咥えたまま舌打ちをした。
           
                 
やっぱり、この阿呆と外になんか出るんじゃなかった。
         
           
だが、タカヤのほうは上機嫌で、ひと言しゃべっては、沼田の反応を笑い顔で待っている。

 結局、タカヤは女が抱きたいわけではなく、沼田に相手にしてほしいだけだとわかっている。
          
          
「ねえ、どこ行くのぉ?」

「初詣だっつってんじゃねぇかよ」
         
            
境内を歩いているのに、尋ねてくるタカヤに、沼田はあきれて、指先で顎を掻いた。