「ん?」
振り返るその人に、私は深々と頭を下げた。
「助けて下さって、ありがとうございました」
頭を上げると、何故か…
「…っくく…」
…笑われていた。
一体何が可笑しいのかわからず、首を傾げる私をチラリと見ると、隊長は口を開いた。
「お前…面白いな。そんな丁寧に礼を言うガキ、初めて見たぞ」
面白い?
…そんな言葉、初めて言われた。
―――と、言うか。
「丁寧でなければ、気持ちは伝わりません」
キッパリと言い放った私の言葉に、隊長は苦笑した。
「そうでもないけどな。何かお前、デュモルみたいだ」
…デュモル。
誰だ? それは。
「お前、名前は?」
「セドニーです」
私は、殆ど反射的に答えた。


