短髪に、鍛えられた体。
突然現れたその男性の姿を、私は呆然と見つめた。
「だっ…誰だ!」
リーダーは、そう叫んで後ずさる。
予想外の人物の登場に、焦りを感じたらしい。
…それに、相手は大人だ。
勝てない、と思ったのかもしれない。
「俺?…カルム城配属戦闘部隊長、ダンだ」
戦闘部、隊長。
その言葉を聞いたリーダーとその連れから、明らかに血の気の引く音が聞こえた。
「てっ…撤収だあぁ!!」
「待ってよリーダー!」
どたばたと、この場を後にするその姿を、隊長はつまらなそうに見送った。
「…根性ないやつらだなぁ」
「………あの」
やっと口を利けるようになった私は、遠慮がちに話しかけた。


