「日子さん、遅いですね…」

「そやなぁ。5分で戻る言うてたのになぁ…。」
初めての東京に、はしゃいでる餅をほっといて、楼と涼也は 喫茶店の中から表を見ながら、話していた。


――10分前。

「おかしいですね…。迎えのバスが 来てるはずなんですが…。」

と、日子が呟いた。

「なにかあったんでしょうか。」

楼が聞く。

「ほんとですね。どうしたんでしょう。私、ちょっと旅館の方に電話してきます。」

「あ、はい。」

と楼は答えた。すると、涼也が聞いた。