【奏】雪に願う事

それからはリサーチしまくって

泰生先輩の名前と

学年が1つ上なのと

彼女はいない事を

知ったんだ。




周りから見れば
泰生先輩は

冷たい態度ときつい言葉で
女の子にもてるタイプでは
ないらしいけど

私にとっては特上で

優しくないぶっきら棒だと

思われてる性格だけど

私にとっては、

見えない優しさを感じるし…。



知れば知る程…

泰生先輩に…惹かれていった。



もちろん、次に会った時

ちゃんとあの日のお礼を

言ったんだよ?



先輩はクスッと
笑っただけだったけど…

その笑顔に…
私の心はまた射抜かれたんだ。




「ちょっと~

いつまで思い出に浸ってんのよ」



「あはっ」


「心暖の泰生先輩ラブはいいけど
一歩間違えれば
ストーカーだよ?!」



…うぅ…相変わらず
澪のきつい一言。




「だってぇ~

それ以外に方法ないじゃん」




「まぁね~

あの泰生先輩から女の子…

しかも後輩に
積極的に声かけてくるとは
思えないもんね」



そうなんだよね…



あれ以来、

泰生先輩を見かける度に

声をかけてる私。



遠く離れてる時に
大きな声で呼ぶと

今みたいに交わされちゃうけど

廊下で会った時とかは
ちゃんと返事してくれるんだ。



だから…頑張っちゃう!!!



「本当、気持ちバレバレだよね」


「…うん」



「何回告ったんだっけ?」



……触れないでよ~。



「えっと…あはっ」

笑って誤魔化した。



何度か会った拍子に

「泰生先輩好きぃ~」

って言ったけど

「はいはい」

って感じでかわされるばかり…。




「軽くあしらわれてんねぇ

ちゃんと真剣に告れば?」



「んな…

でも、私の気持ち
わかってる筈だもん」




「まぁね~


傍から見てても
心暖が泰生先輩好きなの
バレバレだもんね」